涙活のススメ~『涙活力』の著者がすすめる涙活とは~

皆さんは、「涙活(るいかつ)」をご存じですか?

涙活とは、意識的に涙を流す時間を作る活動のこと。散歩やヨガなどに匹敵するストレス解消法として、いま注目を集めているんです。

そんな涙活を提唱しているのが、感涙療法士の吉田英史(よしだ・ひでふみ)さん。元高校教師・スクールカウンセラーの吉田さんは現在感涙療法士として、学校や病院、企業・自治体などで、涙活ワークショップや講演会を実施しています。

ストレス解消法として注目を集める涙活。その指南書ともいえる『涙活力』が10月に玄文社より出版されます。そこで今回は『涙活力』の著者で、さまざまなワークショップ・講演会なども開催している感涙療法士の吉田英史さんにインタビューを実施。

涙活に着目した理由や、涙活の効果やメリット、おすすめの涙活方法などをたっぷりお伺いしました。「最近ストレスが溜まっているかも…」「しばらく涙を流してない」「涙活に興味がある!」という方は、ぜひご覧ください。

 

そもそも涙活とは

そもそも涙活とは、能動的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動のことを言います。

涙を流すことにより、自律神経が緊張や興奮を促す交感神経からリラックス状態にある「副交感神経が優位な状態」へとスイッチが切り替わります。

ストレス社会ともいわれる現代において、ストレスを抱え心の負担を感じている方は非常に多いもの。上手にストレス解消ができれば良いのですが、立場や孤独感などから上手く心を解放できず、どんどん苦しくなってしまう方がいるのも現状です。

そんなストレスを抱えるすべての現代人におすすめなのが、能動的に涙を流しデトックスする涙活です。

 

【独自取材】感涙療法士・吉田さんが涙活に着目した理由

インタビュアー(以下、イ):さっそくですが、感涙療法士・吉田さんが涙活に着目した理由やきっかけについて教えてください。

吉田さん(以下、吉田):はい。教師として働いていたとき、そして20代で老人ホームで働いていたときの経験が、涙活に着目しはじめた主なきっかけですね。

まず、教師をしていた際に感じたことなのですが、生徒たちの相談に乗る際に「ある気付き」がありまして。相談中に怒り出すような生徒はその後も何度も相談に来るのに対し、相談中に泣き出す生徒はもう相談に来なくなる(相談する必要がなくなる)、ということに気付いたのです。

そのとき、「もしかして、涙は人をスッキリさせる効果があるのでは?」と感じました。その後インターネット等を通じて涙にはストレスを解消する力があるというのがわかった次第です。

この気付きよりもずっと前のことなのですが、もう一つ涙活をはじめるきっかけになった出来事があります。それは私がまだ20代で老人ホームで働いていたころ、仲の良い同僚がいました。

その老人ホームは今でいうブラックな環境で、同僚は非常に重いストレスを抱えているようでした。「疲れた」と彼はよく言っていたのですが、あるとき職場に来なくなり…。その後亡くなっていることがわかりました。自死でした。

彼のストレスをなんとかして和らげることはできなかったのか…。今でも悔しく思っています。突然の出来事にショックを受けていたころ、見かねた友人が私を映画館に連れて行ってくれまして。『タイタニック』を観て、号泣したんです。そしたらどこか心がスッキリとしました。

そのときに、体感として「涙を流すことは、ストレス解消につながる」とわかりましたね。そんな体験が土台にあって、ストレスを抱えている人の助けになりたい、「泣いてはいけない」と我慢している人に対して涙を流していいんだよと伝えてあげたい、という気持ちで涙活をすすめています。

 

涙活がもたらす効果・メリットとは

イ:教師・スクールカウンセラーとして働いていたころの経験や、同僚を亡くされた経験から涙活に着目されたんですね。ストレス解消法として注目を集める涙活ですが、効果やメリットについて詳しく教えていただけますか?

吉田:涙を流すメリットは、非常にたくさんあります。まずは、ストレス解消効果です。

人はストレスを感じた際、自律神経の中の交感神経という神経システムが活発になります。これにより身体は、極度の緊張状態になってしまうんですね。

この緊張状態…つまり、ストレスがかかった状態を和らげるには、副交感神経を活発にさせる必要があります。副交感神経を活発にさせる方法として睡眠などもあげられますが、睡眠不足が続いていたり、眠りが浅かったりするとかえって逆効果に。

なかなか眠りにつけない状況でも、副交感神経を活発にできるのが「涙を流す」ということなんです。涙を流すことによってリラックスし、緊張状態を緩和させられるのが涙活の大きな効果・メリットでしょう。

続いての効果・メリットは免疫力向上。これは私自身の体感なのですが、涙活をはじめてから風邪を引かなくなりました。週に一度くらいの涙活を続けていますが、涙を流す習慣により、ストレスが解消されたおかげで免疫力もアップしたのだと考えています。

また、涙活は美容やダイエット効果にも期待が持てます。ストレスがたまると老化の要因でもある活性酸素が過剰になりますが、涙活によって身体をリラックスさせることで、活性酸素の過剰な生産を抑えられます。さらに自律神経が整うので血行促進や、睡眠不足改善による美肌効果なども期待できますね。

そのほか、涙活を通じて組織のチームワークを高めたり、自己肯定感や共感力を高めることも期待できます。

 

簡単にはじめられるおすすめの涙活方法とは

イ:涙活には、想像以上の効果・メリットがあるんですね!この記事を読んでいる方もきっと涙活に興味を持ってくれたと思うのですが、簡単にはじめられるおすすめの涙活方法などはありますか?

吉田:涙活は、難しいものではありません。まずおすすめするのは、「一人涙活」です。涙を流すことを習慣化するために、自宅などで1人で気軽に行う涙活ですね。

まず意識してほしいのは、「泣いたらダメ」という思い込みを捨てること。とくに男性だと、「男は泣いちゃいけない」と思い込み、我慢している人って多いんです。泣くことは弱いことではありません。この思い込みを捨てるところからはじめましょう。

次は「泣きのツボ」を見つけます。動物ものだったり、家族ものだったり…、人には誰しも泣きやすいツボがあるんです。最近泣いた出来事を思い出し、そこから探していくのも手ですね。いろんな作品を手軽に見れる時代ですから、様々なジャンルの映像や本などを見て、自分のツボを探しましょう。

あとは、泣ける状況を作ってあげるのも大切です。アロマやお香をたくのも良いですし、お風呂上りも良いでしょう。自分がリラックスしやすい外的環境づくりを作るのがおすすめです。

涙を流すことに慣れてくると、スマートフォンで見れる1~2分の動画で泣けるようになります。トイレ休憩やタバコ休憩などちょっとしたスキマ時間で涙活を行い、ストレス解消を図れるようになりますよ。

 

涙を流すのは、「弱さ」ではない

イ:最後に、読者に伝えたいメッセージがあればお願いします。

吉田:現代社会には、大きなストレスを抱えて苦しい思いをしている方がたくさんいます。涙活によって、真剣に疲れている人、身体が硬くなってしまっている人の心と身体をほぐす手伝いができればいいですね。

涙は進化の過程の中で人間に備わっている機能です。神様がストレスを軽減させるために、涙という機能を付けてくれたんじゃないかと思うこともあります。

日本社会では、「泣くこと=良くないこと」というイメージがあります。しかし、泣くことは悪ではありません。そんな思い込みを捨て、泣いてもいいんだよとメッセージを送り続けたいですね。

 

最後に

ストレス解消をはじめ、さまざまな効果が期待できる注目の涙活。

玄文社から10月に出版される感涙療法士の吉田英史(よしだ・ひでふみ)著『涙活力』では、そんな涙活のやり方や効果・メリット、泣き方のコツのレクチャーなどを余すことなくご紹介。涙活をこれから始めたいと思っている方にぴったりの1冊に仕上がっています。

「これから涙活をはじめたい!」
「涙活ってなに?」
「ストレスがたまっていて苦しい…」
という方、必見です!

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