KAMINOGE創刊10周年!「世の中とプロレスする雑誌」が10年間に及ぶ試合を語る!

「世の中とプロレスする」と標榜する月刊誌のKAMINOGEは、2021年12月、120号をもって刊行10周年を迎えた。途中、出版元の倒産などを経験しながらも、根強いファンを獲得し、一度たりとも休むことなく刊行し続けた、まさに不屈の闘志を持った雑誌だ。

プロレス雑誌とは思えないオシャレな表紙。
一見プロレスとは関係ないような、多種多様なゲスト。

すべてが規格外のKAMINOGE編集長 ペールワンズの井上さんと、出版元である玄文社の後尾社長に、KAMINOGEの10周年を記念し、10年間に及び世の中とプロレスし続けたその試合の舞台裏について、熱く語って頂いた。

10周年を迎えたKAMINOGE
まさにプロレスのようなドラマがあった。

Q.120号で10周年を迎えたわけですが、井上さん、お気持ちを聞かせてください。

井上:10年続けられたこと自体は、まずはひとえに後尾社長のおかげですね。本当にそれに尽きると思います。(出版元が)玄文社さんになって、何年でしたっけ?

後尾:もう2年ちょっと経ちますね。

井上: 創刊時からの出版社が会社ごと倒れてしまったんですけど、じつは予兆はあったんですよね。

それで後尾社長は『KAMINOGE』を創刊時から印刷していただいている新灯印刷の社長でもあるので、「なんかヤバそうな状況ですよね」みたいなやりとりを一緒にしていたんですよ。

それで前の版元がギブアップした瞬間に「じつは俺、出版社もやってるのでそこで続けます?」って声をかけていただいて。そこでの後尾社長の対応があまりにも早すぎて、ひと月(1号)も休むことなく刊行することができたんですよ。

「えっ、版元ってすぐに移行できるもんなんですか?」「調べたら来月からいける」って。あの時って本当にスリリングでしたよね(笑)。あらためて後尾社長には感謝を申し上げたいです。

後尾:当時うちの社員から、井上さんの仕事と人柄を熱くプレゼンされて、では一度会いましょうとなって。

井上:だから8年近くやっていて、その時が初対面だったんですよね(笑)。後尾社長が情にほだされやすいタイプだったってことがラッキーでした。

後尾:いや、本当に面白そうだなと思ったからですよ。まあでも、あのときはいわば、お互いに大変だったという感じではありましたね(笑)。

井上:確かに、妙な連帯感はありましたね(笑)。

後尾:KAMINOGE自体は結構人気のコンテンツだったので、もしうちがやらなくとも他の出版社さんが手を挙げていたと思いますよ。

井上:いやぁ、そんなことはないですよ! あのとき、僕は連鎖倒産の心配と同時に、次の号の表紙がアントニオ猪木さんに決まっていて、取材も終わっていたんですよね。

だから猪木さんサイドに「すみません、本が出せなくなりました」って言えないよって気持ちもあったんです(笑)。

だから後尾社長に「どうします? もう来月からウチでやっちゃうか、それともちょっと休みます?」って聞かれたときに「次は猪木さんなので休めません!」って言っちゃった記憶がありますね(笑)。

もはや同人誌?あまりにも規格外のプロレス雑誌

Q:10年続けてきて良かったな、と井上さんが実感する部分はどこですか?

井上:それは日々ですね。10年間毎日というか…。僕は前の出版社さんにもとてもよくしてもらって、玄文社さんとのお付き合いが始まってからもいろんな面で注力していただいていて。
言い方は悪いんですけど、出版社としてはインディーな会社といって問題ないですよね?

後尾:そうですね、はい。

井上:そこがすごく、僕にとってはありがたかったというか。本当に好き勝手にやらせてもらってるんです。

書籍コードだから基本的には広告を入れられない、即ち広告案件もないっていうなかで、全ページ自由に、自分たちの好きなように作らせてもらっていて。世の中にそんな商業誌ないと思うんですよね。

いろんな大手出版社の編集者ともお付き合いがありますけれど、やっぱりみんな、何かの調整に追われている部分ってあると思うんですよ。

広告のクライアントだったり、それぞれの業界の政治的な部分のバランスに気を使ったり。『KAMINOGE』ってそういうのが一切なくて、版元からも内容に関して何を言われないって、これって同人誌ですよね。

なのに編集の予算を作ってもらって、書店やWEBでも買えるようにしていただいてるっていうことは、僕の中では当たり前のことじゃないと思っています。

後尾:うん、うん。

井上:それが日々幸せに思うことですね。前の出版社も、後尾社長も、基本的に僕らのことを「見守る」ベースなんですよね。版元というよりもタニマチなんじゃねえか、って思うこととあります(笑)。

後尾:ただ、井上さんが「好きなように作らせてもらっている」っていう「好きなように」のセンスが抜群だと僕は思ってるんですよ。

井上:詳しく教えてください(笑)。

後尾:書店さんでも間違いなく褒められますし、今デザインを頼まれているデザイナーさんの表紙のセンスとか、最高にうまいデザインだなって思っていますし。

今回、旭屋書店の船橋店でプロレスのフェアをやってくださってるんですよ。この間、それを見に行ってきて、写真撮影をしてきたんですけど、もう、見栄えが全然違いますね!

井上:それは、他の本と比べてですか?

後尾:はい。他のプロレスの本と、KAMINOGEと。これがプロレスの本とは思えないなっていうようなエンターテイメント性が高いデザインになっていて、ものすごく目立ちます。

井上:ありがとうございます。でも、前にAV監督のカンパニー松尾さんに言われたことがあるんですけど、松尾監督が一時期DVDのパッケージをちょっとスタイリッシュに作っていたことがあったんですけど、そうしたらあまりセールスがよくなかったとおっしゃっていたんです。「やっぱAVはAVっぽい猥雑な感じじゃないといけないんですよ」って。

後尾:うんうん。

井上:プロレスとか格闘技系のムックもそうで、デザイン性無視みたいな、とにかく刺激的な見出しを入れられるだけ詰め込むっていうのが常套手段で、逆に奇跡的なデザインになっていて感心する部分もあるんですけど。でも僕は、そういう表紙の作り方をさせてもらっていないので、もしかしたらそれは売り上げに関係してるかもしれないです。よくないほうに。

後尾:ふーん。

井上:だから松尾監督からも「『KAMINOGE』はその時のうちと状況が似てますよ。気をつけないと」って言われたんですよ。社長、すみません。

後尾:いえいえ。実は、定期購読者を増やすキャンペーンを、広告を打ちながらずっとやってるんですね。井上さんにもお願いして、121号から値上げしたけれど、定期購読では値段を据え置きにしてる。

『KAMINOGE』のファンの方が、今までの価格で本を読めるようにっていうのと、読者層をもっと広げていきたいという思いで。

そのキャンペーンを始めて2ヶ月で、実は今日、定期購読の書籍発送日だったんですけど、従来の1.2倍の発送数だったんです。予想してた冊数よりも増えてしまって、用意していた冊数では足りませんでした (笑)。

井上:でも、わからないです。それが良い伸び率なのかどうかが(笑)。

後尾:翌月決済されるので、こちらとしては定期購読が増えるというのは非常にありがたいんですよね、出版社としては。

井上:ありがたいですね。

後尾:なので、コアなファンの方はどんどんこっちに引き込んでいきたいなって思ってるんですよね。非常にお得なので。

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甲本ヒロトさんがくれた勇気

KAMINOGE vol.121
Q:121号の甲本ヒロトさんの「ゆ・め・は・か・な・う」って、巻頭のインタビューを読んで、グサグサ刺さりましたね。

井上:ですよね。

Q:甲本さんとのインタビューの中で、「『KAMINOGE』も“好きさ”で出来てると思う」って仰ってたところがあったのですが、そこに関して井上さんはどう思われましたか。

井上:まさに好きでやらせてもらっていますよね。ヒロトさんに関していうと、10年前の創刊号の表紙を飾っていただいて、1回だけちょっとタイミングが合わずに取材ができなかったんですけど、それ以降、毎年暮れは表紙を飾っていただくのが恒例のようになっていまして。

生きていると嫌なこともつらいこともいっぱいあるじゃないですか?

それでも毎年、年末になると「今年もいい一年だったなあ」って思うんですね。

それ、なんでかなと思って、この間やっと気づいたんですけど、暮れにいつもヒロトさんに会ってるからなんですよね(笑)。

Q.ええ!それはどういうことですか?

井上:インタビューという形を取りつつ、「これ、年に一回ヒロトさんにチューニングしてもらってるんだ」と思って(笑)。

後尾:リセットできるんですね。自分の気持ちを。

井上:再確認というか、「やっぱりこれでいいんだな」っていう風に思わせてくれる、そんな気持ちにさせてくれるお話をしてくださるので。

ヒロトさんはたぶん『KAMINOGE』を毎号読んでくださっていて、取材でお会いするたびに褒めてくれるんです。

この人が褒めてくれているんだったら間違いないかな、っていうのはありますね。

多彩なキャスティングの裏側はまさかの真向勝負

Q.今後、KAMINOGEをどんな方達に読んでもらいたいって思われていますか?

井上:それはもう、誰にでも読んでほしいですね(笑)。

Q.いつもバリエーションがすごいなって感じます。元々、プロレスに興味のない人にも勧められますし。読んでて笑いが絶えないんですよね。

井上:ありがとうございます! 本当の本当は、毎回プロレスラーを表紙にしていたほうが安定して売れるんじゃないかっていうところはあるんですけど、なぜかそうはならないですね。

Q.キャスティングって、どうやって実現しているんですか?

井上:正面からっていうか、普通に所属する事務所さんとかにコンタクトを取ってお願いしていますけど、知り合いがマネージャーと繋がるよ、とかそういうパターンも多いですね。

でも、ちゃんと出演のご依頼企画書を作ってお送りしてますよ。企画書の頭に永ちゃん(矢沢永吉)が表紙の号の画像を入れて(笑)。

Q.素人からすると、みんな出てくれるんじゃないかって思うんですけど、断られることもあるんですか?

井上:それはもう、全然あります!

後尾:矢沢永吉さんの時はどうだったんですか、出演交渉は。当時「40周年」ってなってましたね。

井上:全然、普通に事務所さんに連絡したんですよ。
そうしたら「ちょっと先ですけど、いついつにアルバムが出るからそのプロモーション期間でもよければ」ってお返事をして頂いて、「いつでもかまいません!」という感じで数か月後にやらせていただいたんです。

最初は怖かった長州力さん

井上:長州力さんは7号で表紙&巻頭でやらせていただいたんですが、当時は今の「面白いおじさん」っていう感じの長州さんではなかったんですよね。

Q.そうなんですか!ちなみにそれまでの長州力さんのイメージってどういう感じだったんですか。

井上:ぶっきらぼうでマスコミ嫌いの怖い人です。以前、目の前のボイスレコーダーを見て「お前、何してんだこれ? 盗聴器だろ」って焼き鳥屋で怒鳴られて。取材で伺ってたんですけどね(笑)。

まあ、それくらいおっかない人だったんですよ。取材の日は前の晩から寝られないくらい。

後尾:今じゃ、CMとかもバンバン出ていますからね!

井上:今でこそ、あんな感じですけど、当時はお会いするときに、本当に胃が痛くなりましたよ。でも「俺の人懐っこさで大体の事は何とかなるぞ」って思わせてくれた人というか(笑)。

Q.記事を読むと、インタビュー対象との方との絶妙な距離感を測っている気がします。長州さんも徐々に心を開いてくださって仲良くなっていったということですもんね。

井上:意識的にやっているわけではないんですけど、怖い人の取り扱い方っていうのがあって、「ごくたまにタメ口を利く」っていうのをやってます(笑)。

怖い人って、みんなから怖がられているから、普段、タメ口をきかれることがないんですよね。

だから、たとえば「よしなさい」とか「知らんがな」とかって言うと「なんだ、お前!」ってめっちゃ喜んでもらえます(笑)。

一同:(爆笑)

Q.長州さんも周りから怖がられて皆さんが気軽にコミュニケーション取れないような方だったんですか?

井上:今も普段はそうですよ。

Q.何回目のインタビューで「お!心開いてくれたかも」と思いましたか。

井上:ここ1~2年じゃないですかね? 僕「井上」じゃないですか。
でも長州さんにはずっと名前を間違えられてて「山本!」って呼ばれてるんですけど、それが最近「山本くん」になりましたからね。あ、嬉しいと思って。

一同:(爆笑)

井上:僕も日常のコミュニケーション能力に長けているわけではないんで偉そうなことは言えませんが、ここぞって時のコミュニケーションが苦手な人っていっぱいいると思うので、そういう人にはぜひKAMINOGEを読んで何かを掴んでほしいですね(笑)。

芸人の覚悟から学ぶこと

Q:KAMINOGEには沢山の芸人さんが出ていますよね。121号でも井上さんが「芸人さんはすごい」って言っている箇所がありましたが、それはどんな部分で感じるのですか?

井上:自分の好きなことを貫いてやっていらっしゃるからですかね? 大人になるとわかるじゃないですか、好きでやっている方とそうでない方って。

後尾:井上さんが好きな方っていうのは、ジャンルはプロレスに限らず魅力的な部分があるから表紙にしたいって思われてるんじゃないですか?そのイメージがすごく表紙に出るんですよね。だから表紙1つ1つが魅力的なんですよね。

Q:色んな人の話を聞かれてこの10年で井上さんが感動した事ってありますか?

井上:パッと思い浮かぶのは、『大井洋一の冗談じゃない!!』っていうコーナーですかね。そこに毎号芸人さんが登場するんですけど、毎回芸人さんの言葉には響くものがありますね。
「あっ、心にメモしとこ」とか「ああ、そういう発想をするのか」って思わせられる事が毎回あります。もちろん、ほとんどの芸人さんが僕よりも全然年齢の若い人なんですけど。

後尾:自分の夢を叶えようと思っている、真っ直ぐな人たちだからですかね。

井上:芸人を志している時点で、人とは感覚が違ったでしょうし、その世界に入って実力を発揮できてるっていうのは、頭から血しぶきが飛ぶようなことも何度かあったと思うんですよね。
そこを通過してきた人っていうのは、どうしたってそれなりの言葉を持っていますよね。

Q:錦鯉さんも、40代、50代でM-1グランプリ王者になりましたもんね!感動します。

井上:長谷川さんが僕と同い年だから、ややシンパシーを感じましたね。誌面では「若いうちからちゃんとやれよって話ですけど」みたいに言ってましたけどね(笑)。

Q:ちゃんとやれってどういう意味なんですかね(笑)。

井上:それも面白おかしく言ってるんでしょうけど。

こないだのヒロトさんのインタビューと重なるところがあって、「夢は叶う」っていうのは、結局そこしかなかった、諦めきれなかったからやり続けていて、結果M-1で優勝できたっていう話だと思うんですね。

だからその2号はリンクしているなと思いました。しかも渡辺さんが「これからは全国をまわって漫才ができたらいいな。

そのチケットをもらったと思う」っておっしゃっていて、ああ、この人の夢ってずっと漫才をやることなんだなって。金持ちになりたい、司会者をやりたい、みたいなことではないんだな、と。その言葉が聞けてかなり嬉しかったです。

これから追いかけたいのは代官山のシングルマザーと世田谷のホームレス

後尾:井上さんが今後KAMINOGEを作っていく上で「こんなことをやっていきたい」という想いはありますか。

井上:今、温めている企画が、代官山のシングルマザーたちの連載を考えていて。

後尾:また面白いところに目をつけましたね(笑)。

井上:代官山エリアに住んでいる人たちってやっぱりお金持ちが多いじゃないですか。

だけど最近知ったんですけど、シングルマザーの方もとても多いらしいんですよ。

一般的にシングルマザーの方は育児とか養育費とかで大変だと思うんですけど、どうやら凄くリッチな生活をされているみたいなんですよ。

まあ、元旦那がリッチだから潤沢な生活費があるっていう話だと思うんですけど、そういうシングルマザーの方たちに「どういうつもりなんですか?」ってリレー形式で話を聞きたいなと。

Q:冒険しますねー!(笑)

井上:すごく着飾っているし、女性としての現役感がすごいんですよ。

じつはそのうちの一人への接触にはすでに成功してまして(笑)。

リレー形式で、じゃあ次のシングルマザーを紹介してください、っていうのをやれたらいいなぁと思っています。

それからうちの事務所が世田谷の三軒茶屋なんですけど、世田谷には珍しくホームレスをしている方が一人いらっしゃるんですね。

もう2日に1回くらいの遭遇率で。いくつぐらいの方かはわからないけれど、おそらく僕よりも全然歳上だと思うんです。で、肩に和彫りの入れ墨が入ってるんですよ。

お洒落で入れ墨を入れる世代ではないので、絶対に元は本職なんですよね。その本職からどうして今世田谷でホームレスを?っていうのをここ3年温めてるんですけど、声をかける勇気がないんですよ(笑)。

もっというと、究極にやってみたいのは、もう有名人とか著名人抜きで一冊やってみたいですね。それこそ代官山のシングルマザーの方々だけで一冊とか。

後尾:そ~れ~は~面白いなぁ…。

Q.それをKAMINOGEのテイストで取材してくれたらめちゃくちゃ面白そうですね。

井上:僕は後尾社長に迷惑をかけたくないという一心でやめてますけどね(笑)。

後尾:業界的にそういう事をやろうっていう本や出版社さんって無いので、あえて冒険して攻めていくっていうのはいいですね。

井上:じゃあ、いいですか? 社長、やっても。

後尾:面白いと思います。

井上:おお! そこは止めろよ! あっ、これがさっき言った、ちょいちょい入れるタメ口です(笑)。

後尾:人気企画になって、それが単行本になるってところまで考えてやっていきたいですね。

Q.ドラマがあるって事ですもんね。

井上:ありますよ、絶対。すごく礼儀正しい方なんですよ、ホームレスの方も。本当にしょっちゅうすれ違ってるので、向こうも僕の顔を覚えちゃったんでしょうね、こないだうっかりお互いに軽く会釈しちゃいましたから。そろそろいけるんじゃないかなあと思っています(笑)。
和彫りのホームレス、ちょっと話を聞いてみたいですね。

後尾:ホームレスと代官山シングルマザーの企画は、ぜひ面白いタイトル付けを考えてください!

これからのKAMINOGE

Q.後尾さんにお聞きします。KAMINOGEはどんな本になっていってもらいたいですか。

後尾:今のテイストは絶対変えないでほしい。プロレスファンだけではなく、一般の方が読んでも面白い書籍の作りなっている。ですから、僕たちの使命というのはこれをたくさんの方達にいかに読んでもらうかです。

Q.大事なところですね。

後尾:一般の方にも、すごく面白い書籍なんですよって事を知ってもらえるようにやっていかなければいけないと思っています。書店員さんの反応が、ものすごく良いんですよKAMINOGEは。

書店員さんもこの本を愛してくれていて、協力して売ってくださっている。まだまだ広げる事が出来るんじゃないかって僕は思っている。今のテイストを変えず、僕らの営業・販売努力をしていかなきゃって思っています。

井上:書店も減っていますもんね。活字っていうのは印刷されていなくても色んなところで読めますし。

Q.ちなみに!KAMINOGEは電子版もリリースされましたが、井上さんは紙の本と電子、どちらで読んでもらいたいですか。

井上:どっちも嬉しいですけど、本音を言えば紙ですね。電子で読んで頂くのも勿論ありがたいです。

でも、紙に印刷されている活字と、スマホの画面で見る文字って違うんですよね。紙に印刷された文字はなんか色気があるっていうか、ちょっと興奮するんですよね。

パソコンでもスマホでも読める時代に、紙に印刷してもらうって相当贅沢なことだと思うんですよ。でも本が好きな人ってみんなあの印刷された文字とか写真が好きだと思うんですよね。

後尾:井上さん、最後に読者に向けて何かメッセージをお願いします。

井上:本当にありがとうございます、としか言えないです。あとはとにかく、読まなくてもいいから毎月買う習慣だけは身につけてください(笑)。

後尾:うちとしても、ものすごく助かります(笑)。